2008年09月20日
二階堂和美さんのこと(古い原稿から)
古い原稿を整理していたら、
2006年8月の沖縄タイムスに二階堂和美さんのことを紹介した原稿が出てきました。
そう、彼女のことを知ったのは当時ベルギー在住の友人からのメールがきっかけだったのでした。
原稿では当時出たばかりの『二階堂和美のアルバム』のレビューが軸になっています。
二階堂和美
心は彼女の歌へと向かう。
「絶対、おまえも好いとるばい」(絶対にお前も好きだ)と、やや興奮気味の方言メールが、ベルギーから届いたのは、去年の春先のことだ。ブリュッセルで暮らしていた故郷の友人は、ライブを聴いた興奮のまま連絡してきたのだった。
二階堂和美という女性シンガー。私は名前すら知らなかった。メールは「おまえのことば紹介しとったけん、沖縄にも呼んでやれ」(紹介しておいたから沖縄に招聘してくれ)と、少々強引に続いた。
イラストレーターで音楽のセンスもいい旧友なので、相当に良いのだろうと、最新のアメリカツアーを収録したCDをネットで注文した。ところがメールの不具合でもあったのか、結局CDは届かなかった。以来、彼女の名前は気になりつつも、ほとんど忘れかけていた。先日、ネットを眺めている時に、新譜を出すという話を見つけて、CDショップに走った。
「二階堂和美のアルバム」(P-VINE)と題された作品は、多くのミュージシャンと作られたアルバムだ。ギターの弾き語りだと聞いていたので、少し意外だった。小沢健二もリスペクトするジャズピアニストの渋谷毅やベースとアコーディオンの人気デュオ、ママ・ミルク!、ノンジャンルの13人組ビッグバンド赤犬など、多彩なアーティストが参加している。
ジャンルも音の質感も実にバラバラなのに、変幻自在な彼女の歌声は、どのサウンドにも見事にフィットして、不思議な世界観を作り出していた。かわいらしいだけのジャパニーズポップスとは一線を画する、少し尖って陰影のある歌は、ラップユニット、イルリメの鴨田潤が投げかける言葉(歌詞)にビビッドに響いている。
心地よい歌声を、BGM的に聴かせる女性シンガーは多いが、聴き手の気持ちを歌に向かわせるシンガーはなかなかいない。彼女はそんな数少ない歌い手の一人だと思う。
本当に沖縄に来てくれるといいのだが。
ryujinoda
2006年8月の沖縄タイムスに二階堂和美さんのことを紹介した原稿が出てきました。
そう、彼女のことを知ったのは当時ベルギー在住の友人からのメールがきっかけだったのでした。
原稿では当時出たばかりの『二階堂和美のアルバム』のレビューが軸になっています。
二階堂和美
心は彼女の歌へと向かう。
「絶対、おまえも好いとるばい」(絶対にお前も好きだ)と、やや興奮気味の方言メールが、ベルギーから届いたのは、去年の春先のことだ。ブリュッセルで暮らしていた故郷の友人は、ライブを聴いた興奮のまま連絡してきたのだった。
二階堂和美という女性シンガー。私は名前すら知らなかった。メールは「おまえのことば紹介しとったけん、沖縄にも呼んでやれ」(紹介しておいたから沖縄に招聘してくれ)と、少々強引に続いた。
イラストレーターで音楽のセンスもいい旧友なので、相当に良いのだろうと、最新のアメリカツアーを収録したCDをネットで注文した。ところがメールの不具合でもあったのか、結局CDは届かなかった。以来、彼女の名前は気になりつつも、ほとんど忘れかけていた。先日、ネットを眺めている時に、新譜を出すという話を見つけて、CDショップに走った。
「二階堂和美のアルバム」(P-VINE)と題された作品は、多くのミュージシャンと作られたアルバムだ。ギターの弾き語りだと聞いていたので、少し意外だった。小沢健二もリスペクトするジャズピアニストの渋谷毅やベースとアコーディオンの人気デュオ、ママ・ミルク!、ノンジャンルの13人組ビッグバンド赤犬など、多彩なアーティストが参加している。
ジャンルも音の質感も実にバラバラなのに、変幻自在な彼女の歌声は、どのサウンドにも見事にフィットして、不思議な世界観を作り出していた。かわいらしいだけのジャパニーズポップスとは一線を画する、少し尖って陰影のある歌は、ラップユニット、イルリメの鴨田潤が投げかける言葉(歌詞)にビビッドに響いている。
心地よい歌声を、BGM的に聴かせる女性シンガーは多いが、聴き手の気持ちを歌に向かわせるシンガーはなかなかいない。彼女はそんな数少ない歌い手の一人だと思う。
本当に沖縄に来てくれるといいのだが。
ryujinoda
Posted by ryujinoda at 20:18│Comments(0)
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